転ばぬ先の杖〜障害者手帳取得と私の考え方〜
こんばんは。
先日、障害者手帳を取得しました。
正確には「精神障害者保健福祉手帳」と言います。
初耳の方にはなかなかパンチのある名前ですよね。
今回は私がこの手帳をどういう風に考えて取得するに至ったかを書こうと思います。
これはあくまで私個人の事であって、同じ病気のみなさんに勧めている訳ではありません。状態の悪い時期、回復してきた時期など色々な状態があるのも私は知っていますし、中には病気を克服できた人もいると思います。
「こういう考え方で障害者手帳を申請した人もいるんだ」位で読んでもらえればと思っています。
医師からの「障害者手帳申請」の提案
うつ病になってが約10年が過ぎてしまいました。なかなか辛い日々も過ごしましたし、生きている意味を見失っている時期もありました。
一応、私の病気を理解してくれている知人から個人で仕事を受けて、少しばかりの収入を得ているような生活だったのですが、そういう知人がいっぱいいる訳もなく、仕事量は正直少なかったです。
かと言って、フルタイムで普通に働くのも厳しいという状態が数年続いていました。
いつかは良くなって、また働きに出られるかもと淡い期待もしていたのですが、そんなこんなでもう病気になって約10年。
これからどうしようかと少し考えていた時期でもありました。
そんな時、病院の先生から「障害者申請をしてみるという手もあるよ。」という助言をもらいました。
初めて聞いた時は正直びっくりしてしまいました。
「うつ病」と「障害者」が頭の中で結びついていなかったからです。
ちゃんと調べて情報を集めていれば、うつ病患者が障害者申請をする事が出来ることもあらかじめ知ることができた訳ですが、そんな発想は頭の中に全く無く、少しショックを受けたというか、何かそわそわした気持ちで家に帰りました。
帰ってからネットで情報を集め、色々考えました。
障害者に偏見を持ったり差別をしたりしているつもりはありませんが、いざ「自分が障害者になる」という現実をどう飲み込んで良いのか、これは申請するべきなのか、悩みに悩みました。そわそわして頭の中で色々グルグル回って何も手に付かない状態になってしまいました。
さてどうしたものか。。。
母親への相談
実は私の母親は「身体障害者手帳」をもっています。
昔、関節の手術を受けて人工関節が入っているのです。それでも元気に働いて、家事もこなし普通に生活しています。
一人で考えても正直冷静に考えられず、そんな状態では考えがまとまる訳がありません。
ということで、母親に電話で相談することにしました。
さすが母親。さすが経験者。アドバイスは的確でした。
その内容は「前向きに手帳を取得するっていう考え方もある」という事です。
私が障害者だと他人が知った時、偏見や差別に晒される事になる可能性ももちろんある。
でも障害者が利用できる支援サービスや障害者枠採用など、それを受け入れることで前へ進む道もまた見えてくるかも。と。
なるほどと思いました。自分が障害者になってしまうという事をただ否定してこのまま今の場所にとどまるよりも、それを受け入れて前に進んだ方がいいなって単純に思えたのです。
妻の理解
その夜その事を妻に相談する事にしました。
普段そんな事を言わない私が、LINEで「相談したい事がある」と連絡すると
妻は仕事を早めに切り上げて帰ってきてくれました。
そして話しました。
「前向きな気持ちで障害者手帳を申請しようと思う」と。
私が過去に体調を崩してアルバイトをやめてしまった事や、現在多くの仕事が入って来ていない事ももちろん分かってくれている訳で、私が前へ進もうという思いを持ったことに、妻も前向きな理解を示してくれました。
こうして私は「精神障害者保健福祉手帳」を申請しようと決意した訳です。
私にとっての「精神障害者保健福祉手帳」
それがシフト制のアルバイトやどんなに単純な仕事でも、行けなくなっては続きません。雇用主が私の病気の事を知っていてくれないと、働くのはなかなか難しい状態です。
私の病気を知った上で働ける場所をこれから少しづつ探そうと思っています。
もしかしたらそんな場所は存在しないのかもしれません。
でも、この行動は私にとって大きな一歩です。
うまく行くかどうかそれは全然わかりませんが、とりあえず一歩を踏み出してみようと思っています。
無理をするつもりはありません。
心のバリアが弱くなるこの病気。これでまた大きくつまづいてしまうと心の怪我も大きくなるかもしれません。
この精神障害者保健福祉手帳が「転ばぬ先の杖」になってくれるといいなと思っています。
終わりに
うつ病患者の方の多くが辛い日々を送っている事を経験上、分かっているつもりです。
休むのが一番の治療な訳ですから、今はこんな文章何の役にも立たないかも知れません。就職どころではありませんからね。
でももし、うつ病になってあまり時間が経っていなくて手帳の事を知らない方がいれば、精神障害者保健福祉手帳の存在を知って貰えればと思います。(多くの方は知っているとは思いますが。。)
そしてもし、少し回復してきて何か始めようと思っている方がいれば、精神障害者保健福祉手帳を「転ばぬ先の杖」だと思う考え方もあるよという事が伝わればいいかなって思っています。
障害者手帳を前向きに考えられた出来事の話でした。
まあ、この先本当に上手く行くかはわかりませんがとりあえず一歩!!